さぐりさぐり、めぐりめぐり

借り物のコトバが増えてきた。

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【『幸福論』アラン】不幸になるのは簡単、幸せになることは難しい

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不幸になるのは何もむずかしくない。ほんとうにむずかしいのは、幸福になることだ。

 

またひとつ大切な本に出会った。最近は「幸福」とか「苦悩」とか、なんだか抽象的で大きなテーマの本ばかり読んでいる。図書館も時間も比較的自由に使える学生のうちからこんな本を読んでおけばよかったと思わないでもないが、無数の本の海からこの本を手に取ったのが今なのであれば、それが自分の読むべきタイミングなのだろうと納得もしている。

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発達障害児童と保護者『夜間もやってる保育園』より

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10月から通っている毎日新聞社GARDEN主催の毎日ビデオジャーナリズムラボ。市民ジャーナリズムにおける映像表現を学ぶ全6回の連続講座も折り返し地点。最終回に向けて各々が卒業制作に向けてトピックを決めて取材・撮影の準備に取り掛かっている

卒業制作は「私の伝えたい現場 –1人の視点から見る-」というテーマのもと、5分の動画にまとめることになっている。第4回の1月はその予告編を1分間の動画にするという課題設定だ。以下、ぼくの提出動画。

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渇愛は苦しみの正体。難しい「今への集中」に幸福を見出す

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楽しいことをしている最中、「今日が終わったら」とかよぎってしまうことはないだろうか。明日からの日常を思ってはどうしようもなく寂しくなる感覚のことだ。ディズニーランドで花火を見ていたり、オールナイトのカラオケで朝4時くらいに襲われる“あれ”だ。

終わる前から、もう終わった後のことを想像して憂鬱になる。今に集中できていない状態。仏教の教えによれば、これはいわゆる渇愛と呼ばれ、苦悩の根源だとされている。

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【読書の意味】本を読むことは「自分を解明する」工程である

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「暇」とか「退屈」と思える時間が日々の中から姿を消したのはここ数年の話。
時間があれば本を読みたい。今はそうやって過ごしている。幸い仕事のない今は読み放題という贅沢を満喫している。

何冊といったカウントはしていないが、2017年は80~100冊くらい読めたのではないかと思っている。

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誰しも少しずつ「人間失格」なんだと思う。『人間失格』より

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自分の幸福の観念と、世のすべての人たちの幸福の観念とが、まるで食いちがっているような不安、自分はその不安のために夜々、転輾し、呻吟し、発狂しかけた事さえあります。

いわゆる「普通」と言われているものから大きく自分が外れていることを感じることは誰しもあるはず。

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巡礼は歩く瞑想。『星の巡礼』(パウロ・コエーリョ)より

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「人生で最高の一冊は?」という質問をされたとき、ぼくは迷わず回答できる。
 

アルケミスト

とあるブラジル人作家が書いた約200ページの冒険小説である。世界中で6,500万部発行され、世界で5本指の小説の一つとして数えられるほどの名作である。

「これは自分宛に書かれたものではないか!どうして?」

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『共産党宣言』は雇用され、働くすべての人への伝言

先日こんな記事を書いた。

当時ほどでないにせよ、自動車工場における労働には創造性は求められず、したがって働く喜びというものからは程遠い。かろうじて出社し、機能し続けてもらうだけの報酬をガソリンレベルで毎月補充し、愚痴を吐く口だけ元気な労働者の足を今日も工場に向かわせる。

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