弱さの直視が新たな強さの契機に。『フラジャイル』より
シンデレラがなくした片方の靴は、全世界の神話伝説が秘める「欠けた王あるいは弱足の物語」を継承する。
「今日も事態は好転しなかった」と頭を掻いては仕事に停滞感を感じていた頃、「まだまだ踏ん張って飛躍するんだ」という想いとは裏腹に「次に休みができたらどこに行こうか」という現実逃避が頭に占める割合を膨らませていた。
カメラの前では誰でも役者。しかるべき被写体像に寄せに行ってない?
ナイター中継を気にしながら家族で夕食を囲む夜7時。そこに突然鳴る電話の呼び出し音。慌てて受話器を取った母親の声は5秒前のそれと明らかに違う。
この違和感を少年時代に多くの人が一度は抱くことと思う。
それは受話器の向こうにいるおそらく知らないであろう人に向けて用意された母の外向けの声であった。電話に限らず、気づけば人は多くの“しかるべき対応”を身につけているものである。
場所と運命〜東北の春の記憶より〜
ある季節がやって来るたび、特定の出来事がフラッシュバックされることはないだろうか。匂いや音楽によって蘇る記憶だってあるかもしれない。そんなものを季節と称しても良いだろう。とりわけ、春には年度のピリオドによるイベントが一挙に行われる。
悲しかった別れ、嬉しかった離散、期待に胸を弾ませたスタート、不安でいっぱいだった始まり。
【『幸福論』アラン】不幸になるのは簡単、幸せになることは難しい
不幸になるのは何もむずかしくない。ほんとうにむずかしいのは、幸福になることだ。
『幸福論』読了。「島流しにするけど今まで読んだ本を10冊だけ選んで持って行っていいぞ」とか言われたら入れておきたい本 pic.twitter.com/omJ6nCqi5B
— 岩辺 智博 (@tomotaro0106) 2018年1月31日
またひとつ大切な本に出会った。最近は「幸福」とか「苦悩」とか、なんだか抽象的で大きなテーマの本ばかり読んでいる。図書館も時間も比較的自由に使える学生のうちからこんな本を読んでおけばよかったと思わないでもないが、無数の本の海からこの本を手に取ったのが今なのであれば、それが自分の読むべきタイミングなのだろうと納得もしている。
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